まつしまうらとのふるたぬき
松島浦戸の古狸
国内
未確認生物
- どんな話か
- 鯨島に棲む古狸が鼓の音とともに漁師の名を呼び、屋島合戦の浄瑠璃を語って聞かせたが、大勢で行くと何も聞こえなかったという。
- 細部
- 昔、松島の鯨島には年を経た古狸が棲みついていたと伝えられている。ある晩、朴島の漁師が鯨島の近くまで漁に出たところ、にぎやかな鼓の音が響いてくるのに気づいた。やがてその音は漁師の名を呼びかけると、屋島の合戦を語る浄瑠璃を朗々と聞かせてくれたという。続きの段は明日の晩に聞かせようと言うので、翌晩は部落の者たちが連れ立って出かけてみたが、お囃子も浄瑠璃もまったく聞こえてこなかった。ところが、その後もひとりきりで夜釣りに出かけたときには、誰であってもこの語りを聞かされたのだという。大勢では現れず、一人のときにだけ声を届ける、古狸らしい気まぐれな怪異である。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』妖怪変化・幽霊の事例篇に記録がある。
- 地域
- 宮城県松島町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ