くじら
鯨
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 大村市武部町に伝わる、出産のため猟を控えてほしいと訴えた鯨の願いを退けたことで祟りを受けたという伝承群。
- 細部
大村市武部町には、鯨にまつわる祟りの話が複数伝わる。一つは漁師の与五郎の夢に子を宿した鯨が現れ、出産のために沖へ行かせてほしいと頼んだにもかかわらず、仲間の漁師たちがその鯨を仕留めようとした話である。すると急に空が暗くなり強風で船が転覆し、与五郎はこれを鯨の頼みを無視した報いと悟って鯨供養の碑を建て、生涯にわたり念仏を唱え続けたという。もう一つは深沢家にまつわる話で、出産間近だという鯨の訴えを聞き入れずに漁をした家系には、代々にわたって災いが続いたと伝わる。
二百年ほどのちに夫婦が千日参りを行ったことでようやく凶事が収まったとも、のちに一族の墓を取り壊した際の石材を持ち帰った人々の家にまで不幸が広がり、鯨の祟りだと人々が恐れたとも伝えられている。
- 広まり方
- 1999年の『日本常民文化紀要』所収、松崎憲三「鯨鯢供養の地域的展開-捕鯨地域を中心に-」に記録がある。
- 地域
- 長崎県大村市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ