こじき
乞食
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 大晦日に泊めた乞食が翌朝死んでおり、燃やしても燃え尽きず黄金に変わったため、正月に太い薪を焚くという。
- 細部
越前市南中町に伝わる話である。ある年の大晦日の晩、みすぼらしい身なりの乞食が一軒の家を訪れて一夜の宿を求めた。家の者は不憫に思い、快く迎え入れて泊めてやった。ところが翌朝になって様子を見に行くと、この乞食はすでに息絶えて冷たくなっていた。家の者ははじめ火葬場まで運ぼうと考えたが、正月中で手伝ってくれる近所の者もおらず、やむなく日暮れを待って囲炉裏で弔おうとした。
ところがどれだけ火をくべても一向に燃え尽きる気配がなく、不審に思って火ばしで突いてみると、その体はいつしか黄金の塊に変わっていたという。この不思議な出来事にちなみ、南中町では大晦日の晩に太くて燃えにくい薪をあえてくべる習わしが今に伝わっている。
- 広まり方
- 1984年刊『福井県史 資料編15 民俗』所収、藤本良致による年中行事「正月」の記録(1年男)に伝わる。
- 地域
- 福井県越前市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ