きつね
狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 横手市には狐にまつわる話が二十七件と非常に多く伝わり、食べ物を奪う悪戯から狐の嫁入り、人への憑依まで内容は多岐にわたる。
- 細部
- 横手市には狐にまつわる話が二十七件と非常に多く伝わっており、内容は大きく分けていくつかの型に分類できる。もっとも多いのは、山道や夜道で人を化かして持ち物を奪う話で、買ってきた魚や饅頭、油揚げを気づかぬうちに持ち去られたり、鏡餅が崖から転がり落ちたと思ったら実は狐の仕業だったり、家に帰り着いたつもりが実は野原だったということもあったという。中には、化かされたまま冬の山中で凍え死んだ人や、松川から横手へ抜ける道で滝の下に落ちて命を落とした人がいたと伝える、深刻な話も含まれる。狐が正体を隠して人前に現れる話も多く、猫に化けてついてきて背負っていた干魚を奪ったもの、三男に化けて法事の迎えに来たが油揚げをねだって正体を見破られたものなどがある。さらに、暗闇に浮かぶ狐火や、赤い狐たちが夜な夜な相撲をとる光景、賑やかな料理屋が現れて消えるといった幻影の話も語られている。昭和九年には、松原一帯で狐に化かされる人が相次いだ末、神降ろしによって稲荷同士の縁組と判明し、狐たちが花嫁行列をこしらえて祝言を挙げたところ、その夜医師が狐のお産に呼ばれ、翌朝には礼のお札が笹の葉に、提灯が鶏に変わっていたという評判の話も残っている。人が狐に取り憑かれて三日ほど狂乱したのち、ノレキと呼ばれる祈祷者に頼んで正気を取り戻したという例もあり、狐は単なるいたずら者にとどまらず、時に人にとり憑く恐ろしい存在としても語られてきた。
- 広まり方
- 『旅と伝説』1934~1940年の寺田伝一郎による「狐の嫁入り譚」「八十翁談話」「羽後浅舞町近傍見聞書」各編と、『伝承文芸』1990年掲載の国学院大学民俗文学研究会「世間話」に、これらの話が記録されている。
- 地域
- 秋田県横手市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ