きつね
狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- クダ狐という小さな狐をはじめ、化かしや取り憑き、稲荷の由来など狐にまつわる言い伝えが数多く伝わる。
- 細部
- この地方で語られる狐には、鼬ほどの小さな体をしたクダ狐あるいはクダン狐と呼ばれる種類がいるとされる。狐は墓場に現れて亡者に供養や追善を怠っていないか尋ね、不足がないと答えられると怒って糞をして立ち去るが、家の者を呪ってほしいと頼まれれば、その人物に取り憑くのだという。猫は狐と夫婦になるとも言われ、両者は縁の深い獣として語られている。狐に出会ってしまったときは、すでに狐を食べてまだ奥歯に挟まっていると軽口を唱えれば化かされずに済むといい、夜道を歩くときには提灯を前に提げず後ろに負うのがよいとされる。婚礼の行列には狐が紛れ込んで取り憑くと考えられ、行列が家に入ると同時に鉄砲を放って追い払う風習もあった。豊川稲荷はもとは平七稲荷と呼ばれ、棒手振りの平七が塀を飛び越えようとしていた狐の群れを真似て自分も飛び越えたところ狐に変化し、狐郡の棟梁として稲荷に祀られるようになったのだという由来話も伝わる。師走に絹糸を買って帰る途中の男が、子を背負った女に焚火に誘われて眠り込み、目覚めると絹糸が灰になっていた話や、山桃を土産にもらった婆さんが家にたどり着く前にいつの間にか山桃を失っていた話も、食べ物や品物を持つ者が狐に狙われる例として語られる。お産の後には必ず狐が憑くとされ、「誰々が来る」などと口走るとその通りになる一方、狐自身は「ころべくわ、ころべくわ」と唱えながらついてくるのだという。
- 広まり方
- 出典は『郷土研究』1915年掲載、早川孝太郎「三河南設楽郡より」、および『中京民俗』1974年掲載、林登美子「伝説」。
- 地域
- 愛知県新城市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ