しぶしのむぎてんぷらをうばうきつね
志布志の麦天ぷらを奪う狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- きれいな女に化けて麦粉の天ぷらを奪う狐と、たばこで正気に戻り化かしを見破った体験談をまとめる。
- 細部
キツネが人をだますときは、あらかじめきちんと変装をしてから現れるとされ、たいていはきれいな女の姿に化けるのだという。麦粉のてんぷらを好物としているため、それを盗み取ろうとするときにも女や子供の姿に化けて近づいてくると語られる。かつては町まで出かけて鰯をかついで帰ってくる途中、いつの間にかその魚がなくなっていることもあったという。キツネにだまされやすいかどうかは、その人が持つ魂の性質によるとされ、キツネと同程度の魂を持つ人は化かされやすく、それ以上賢ければだましにくく、逆にあまりに愚かであればかえって化かされないのだという。
化かされると、山芋を掘った穴に落ちたり、夜中じゅう山を引き回されたり、実際にはミミズを食べているのにそばやうどんを食べたつもりになったりするといい、ある人が鎌石の家に帰ろうとしたとき、いつもあるはずの橋が見当たらず、少しずれた場所にあることに気づいた。そこでたばこを一服ふかしてみると本当の橋の位置が見えてきて、それまでキツネに化かされていたことが分かったという。
- 広まり方
- 1989年の『民俗採訪』掲載、国学院大学民俗学研究会「潤ヶ野 口承文芸」に記録されている。
- 地域
- 鹿児島県志布志市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ