なんぶのきつねにうばわれたいわいぜん
南部の狐に奪われた祝い膳
国内
未確認生物
- どんな話か
- 南部町各地に伝わる狐の話を集めたもので、化かされて物を取られる話や恩返しの話まで幅広い。
- 細部
南部町には狐にまつわる話が数多く残されている。祝い事の帰り道にはワラスボに詰めたご馳走を狐に奪われたり、娘や子供の姿に化けられたりすることが繰り返しあり、遠くで別の狐が囃し立てている気配を感じることもあったという。法勝寺川のシオカラ土手に棲む狐は人の髪を切る悪さを重ねて賞金をかけられた。ある若者は娘に化けた狐から蕪の化けた赤子を取り上げて火にくべたが、正気に返ると自分は山中で木の根を叩いており、髪まで切られていて、すべては狐に化かされた末の出来事だったと分かった。
祭りの帰りにワラスボの中身を奪われる話も多く、空から砂が降ってきて驚いているうちに奪われた者もあれば、神様に手を合わせて難を逃れた者、川や肥だめに入れられてしまった者もいたという。大山の麓の種原では、魚売り商人が古女狐の一党に襲われて木に登って難を逃れ、額を打ち据えてこれを退けた。その女狐を妻としていた藤助は正体を知らぬまま、仲間の狐たちに助けられて田植えを終え、実った稲の茎から思わぬ量の米を得て裕福になったとも語られる。
戸上に棲む藤内狐は馬子の魚を奪ったり親に化けたりして仕返しを受け、住処と伝わる洞窟が今も残るという。旧道に出た狐と狸の化け物は、和尚がこの岩に「南無阿弥陀仏」と刻みつけ、封じ込めたと伝わる。
- 広まり方
- 1989年発行の『常民』誌に、中央大学民俗研究会による鳥取県西伯郡西伯町の調査報告書の一編として収められている。
- 地域
- 鳥取県南部町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ