なかののきつねがまどわすよみちとまぼろし
中野の狐が惑わす夜道と幻
国内
未確認生物
- どんな話か
- 夜道で人を惑わし、土産や油揚げを奪い、田畑や川の中を一晩中歩かせたと語られる。
- 細部
この土地には狐に化かされた話が数十話まとめて集められている。宴席や法事、婚礼、買い物の帰り道が舞台になることが多く、美しい娘や子ども、見知った隣人に化けて近づき、荷を持ってやると声をかけては、気づけば土産のごちそうや油揚げだけが失われている。目の前に川や山谷が現れて進めなくなる、同じ場所をぐるぐる回る、沼を湯だと思って浸かる、地蔵や石を人と思って背負い続けるといった幻も繰り返し語られる。
解くには煙草の火や煙が効くとされ、蝋燭を後ろへ投げる、背を強く叩くといった手立ても伝わる。中には行方をくらませたまま川で亡くなった者や、化かされた末に妻を狐と思い込んで手にかけた者の話まであり、笑い話にとどまらない。狐は遠くではなく足元にいて化かすのだ、何かに気を取られていると憑かれるのだといった心得も併せて語られている。
- 広まり方
- 1938年の『旅と伝説』に連載された安間清の狐にばかされた話(一)(二)(完)に、下高井郡の事例として多数が記録されている。
- 地域
- 長野県中野市
- 年代
- 明治時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ