ひとをばかすきつね
人を化かす狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 神通力で人を惑わし、野道を一面の水に変えたり立派な宿を見せたりしたと語られる、暮らしに近い狐たち。
- 細部
狐は不思議な力を備え、しばしば人を惑わすと信じられてきた。年の暮れに米を売った金を受け取り、一杯飲んで帰る男の前で野の道が一面の水に変わり、経を唱えると元の田に戻ったという。日暮れ時が最も危ないとされ、老人が姿を消して数日後に遠方で見つかる出来事も狐のせいにされた。化かされた者は狐が尾を振る方向へ歩いてしまうともいう。祭りの帰りに川の中を歩かされ、置いていた重箱の中身を失った話もある。
皮を剥いで売れば憑かれ、稲荷への供え物を勝手に食えば戸を鳴らされた。峠で狐をからかった箒売りは立派な宿と馳走をあてがわれたが、我に返ると肥壺の中だった。集落境に美女となって現れ、その笑顔に心を奪われると化かされるという噂も立った。他方、材木とともに移り住んだ狐を火伏せの神として寺に祀り、月ごとに油揚げを供える講が続いてもいる。
- 広まり方
- 1970年刊の『余呉村の民俗―滋賀県伊香郡余呉村―』(東洋大学民俗研究会)、1986年の『成城大学民俗調査報告書』、1992年の『近畿民俗』所収の大森恵子による稲荷信仰の論考などに記録がある。
- 地域
- 滋賀県長浜市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ