きつね
狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 老婆をだました化け狐や、船の杭に化けた狐、幕末に浜へ来た三人の武士に化けた狐など、地域で語られた化け狐にまつわる複数の話。
- 細部
- 夜道を歩いていた老婆が、きれいな姫のような娘に「おいでおいで」と手招きされたことがあった。娘は老婆が持っていた油揚げ寿司を欲しがっているようで、近くに棲む狐の仕業だと見抜いた老婆が一つずつ放ってやりながら「もうない」と言い続けたが、結局すべて渡すはめになり、渡し終えた途端に姫の姿は消え失せたという。この地域には昔から狐や狸が多く、なかでも小原の勘治、儀路の籐兵衛、水濱お菊と呼ばれる化け狐がよく知られ、人々を化かしていた。船をつないでおいた杭がいつのまにか狐に変わっていて船を流されることも度々あり、ある船頭が「杭なら杭と返事をしそうなものだが」とためしに声をかけると「くい、くい」と答えたため狐だと見破られ、以後はだまされなくなったという。また幕末の頃には、立派な身なりの武士が三人浜辺に現れ、彌兵太という漁師に伊勢まで船で渡してほしいと頼んだが、その夜に船の生魚が食い荒らされているのが見つかった。狐の仕業と見た彌兵太が正体を現して詫びなければ海に投げ込むと脅すと、その三人は、儀路の籐兵衛と、小原の勘治と、そして小浜のお菊であったのだと白状して謝り、許してもらえるなら必ず漁があるようにすると約束した。それからというもの、不漁が続いても必ず大漁が訪れるようになったという。
- 広まり方
- 1972年の『みなみ』誌の内田和之「内海妖怪考」、および2002年の同誌掲載記事に記録されている。
- 地域
- 愛知県美浜町
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ