まつもとのきつねつきおとし
松本の狐憑き落とし
国内
儀式・遊び
- どんな話か
- 二十件を超える証言が残る憑き物で、症状の型と落とし方が細かく語り分けられている。
- 細部
この土地の憑き物のうち、最も多くの証言が集まったのが狐によるものである。取りつかれた者は意味の通らない言葉を口走り、頭を振り乱して叫び、高熱を出して急に暴れた。目をつり上げる、顔つきが狐に似てくる、いつも手を握りしめている、無口になって人前を避けるといった変化も語られる。食欲の異常も特徴で、油揚げを好んで大量に食べる、いくら食べても痩せていくといわれた。落とすには煙や打擲、こしょうを焼く煙で刺激を与える一方、法印や御嶽行者、地蔵院に祈とうを頼み、山の神の掛け軸を掲げ、油揚げを供えて村の辻に捨てた。
以後は三峯神社を祀るようになった家もある。少年が憑かれ、自分は十九になればやめると言い、出征から戻ったときには常の人に戻っていたという話も伝わる。狐は道や山に現れるものとしても語られた。
- 広まり方
- 1989年刊の『長野県史 民俗編 中信地方 仕事と行事』のつきものの項と、1990年刊の『長野県史 民俗編 中信地方 ことばと伝承』の妖怪の項に、あわせて二十二件が載る。
- 地域
- 長野県松本市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ