まつもとのきつねにばかされるよみち
松本の狐に化かされる夜道
国内
未確認生物
- どんな話か
- 夜道の人を迷わせ馳走を奪い、名の知られた親分まで擁したと語られる松本の狐たち。
- 細部
この地では、狐に化かされたという話が暮らしのあらゆる場面に食い込んでいる。葬式の知らせ役は動転しないよう二人一組で出向いたといい、六助稲荷の周りは人家がなく、夜に一人で通れば必ず見当違いの方へ連れていかれるので社を建てて祀ったのだという。祝儀の帰りに馬へ積んだ引き出物を鞍から下ろして誰かと祝っていたつもりが、声をかけられて我に返ると馳走だけが消えていた、酔って帰る道で料理を取られ代わりに獣の糞を持たされた、松茸のつもりで懐に入れた物が馬糞だった、饅頭と信じて馬糞を口にしていた娘がいた、といった話が積み重なる。
風呂に入っていたつもりが肥壺だった、夕立の中で垣根にすがり深い深いと繰り返していた者がいた、といった体験談も残る。狐には名も付いており、塩尻の桔梗ヶ原の玄蕃之丞、横出ヶ先のお夏、赤木山の新左ェ門などが親分格として語られ、夜に灯りを掲げて芝居を見せた、嫁入り行列に化けたなどと伝えられる。けんげ塚の松にいた狐は、嫁入りの行列が前を通るときは馬から下りねば通さなかったという。
- 広まり方
- 1989年刊『長野県史 民俗編 中信地方 日々の生活』と1990年刊『長野県史 民俗編 中信地方 ことばと伝承』第12編口頭伝承のきつねの話の各項に、計十四例が収められている。
- 地域
- 長野県松本市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ