まるもりのきつねとかためのさかな
丸森の狐と片目の魚
国内
未確認生物
- どんな話か
- 化かす狐への対処法や憑く狐の呼び名が伝わるほか、明治期には道に迷わされ土産を奪われた実話も語られた。
- 細部
狐に化かされたと気づいたときは、「だまされたな」と自ら思うことが肝心だとされ、思い直さずにいるといつまでも化かされ続けるという。狐を打とうとするときは片目をつぶって追いかけるとよいとされ、そうすれば狐に見くびられずに済むといわれた。ある夕方、道端で子供が泣いており、訳を尋ねると片目の塩引き魚を持たされ、親からこれを取り替えてこいと言いつけられたのだという。持っていた両目の塩引きと交換してやったところ、家に帰って確かめてみると、渡されたのは魚ではなく節穴の開いた卒塔婆だったと分かった。
片目の魚を何よりも恐れる狐が、その苦手なものに似せた卒塔婆を使い、まんまと両目そろった本物の魚をだまし取ったのだという。人に取り憑く狐は一晩に三十里ほども移動するといい、ヲナナミやコナミ、オセンにオコン、オマンといった名を持つものがあるとされる。明治の中頃には、婚礼の帰りに折詰や土産を手にした男が、家の近くにあるはずの森を見つけられず、気づけば元の場所に戻っているということを繰り返した例もあった。
落ち着いて見直すとそこには確かに森があったが、家に着いてみると土産はすっかり消えていたという。この界隈では村人が同じように化かされ、道に迷わされて食べ物を奪われる話がたびたびあったと伝わる。
- 広まり方
- 1963年刊『西郊民俗』所収、井之口章次「筆甫の話(二)―宮城県伊具郡―」および1956年刊『宮城縣史 民俗3』の妖怪変化・幽霊の事例篇に記録がある。
- 地域
- 宮城県丸森町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ