なかみちちょうのきつねづくし
中道町の狐尽くし
国内
未確認生物
- どんな話か
- 甲府市中道町には化かされて道に迷う話から憑依の症状と祓い方まで、狐にまつわる話が21件伝わっている。
- 細部
甲府市中道町には、狐をめぐる話が数多く伝わっている。ある旧家では二階で狐を飼い人につけているという噂が立ち、それを気に病んだ嫁が自ら命を絶ってしまったという出来事があった。一方で、境川のマエダ集落で子どもに化けて捕らえられた古狐を、通りかかった僧の取りなしで命拾いさせたところ、以後その狐は人を化かさず田畑の害鳥を食べて村を助けるようになり、狐川稲荷として祀られるようになったという由来譚もある。
子どもが行方不明になり、翌朝びしょ濡れで震えてうずくまっていたのも狐の仕業とされ、精米所そばの祠付近では人に化けてすれ違いざまに姿を消す狐がよく出たという。結婚式帰りに声をかけられて連れ回され土産を奪われた話、油売りが「あぶらあ」と言いながら油をこぼして歩かされた話、提灯の灯りに誘われて墓地まで導かれた話など、化かしの手口も多様に語られている。狐は煙草を嫌うため一服すれば正気に戻れるとされ、化かされた者は同じ道を行き来したり、下駄を脱いで川を渡るふりをしたりしたという。
憑依された場合には目つきが変わり、手を使わず物を食べ、いくら食べても痩せていくなどの症状が語られ、法印による祈祷や弓矢で脅す方法で落としたとも伝わる。法螺貝を吹いて狐を追い払った僧が、直後に空が暗くなり葬式の行列に出くわして木に登って隠れたところ、実は死人などおらず、これも狐の仕業だったという話も残る。
- 広まり方
- 1984年刊『右左口の民俗―山梨県東八代郡中道町右左口地区―』の「口承文芸」の項と、1954年刊『民俗採訪』所収の國學院大學民俗学研究会の調査に、21件とも記録がある。
- 地域
- 山梨県甲府市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ