けせんぬまのきつねのばかしとおんがえし
気仙沼の狐の化かしと恩返し
国内
未確認生物
- どんな話か
- 魚や餅を騙し取られる話から、恩返しに田植えをしてくれる話まで、気仙沼各地に伝わる無数の狐の逸話。
- 細部
気仙沼の狐にまつわる話は無数にあり、化かされ方の型もさまざまに語られている。魚や餅、蛸や鰯を持ち帰る途中で狐に化かされ、饅頭だと思って馬糞を食べさせられたり、風呂だと思って肥溜めや川、田圃に入れられたりする話が数多い。買った品物の代金として木の葉や桑の葉を握らされていたという結末もよくある型で、狐の嫁入りの行列に見とれているうちに背負っていた魚をすっかり食べられてしまったという話も伝わる。
夜道では自転車や馬車が向こうから来たように見せかけられて崖から転落したように錯覚させられたり、亡くなった身内の声で呼び出されて山の奥深くまで誘い込まれ、枝に紐をかけて首をくくるよう仕向けられたりする、命に関わる化かされ方も語られている。一方で、罠にかかったり子どもにいじめられたりしていた狐を助けてやると、その夜のうちに田植えを済ませて豊作をもたらしてくれるという恩返しの話も複数残っており、狐を祀るようになった家もあるという。
狐は人を化かしても噛みついたり傷つけたりはしないとされ、生き血を吸うというムジナとは区別して語られる。近くに狐がいると髪の毛が逆立つような感じがして気づくといい、一度化かされた者はその後も繰り返し化かされやすいとも言われている。
- 広まり方
- 1982年刊『小泉の民俗―宮城県本吉郡旧小泉村―』所収、東洋大学民俗研究会の口承文芸調査に五十三件にのぼる事例がまとめて記録されている。ほかに1956年刊『宮城縣史 民俗3』にも実業家の実見談などが載る。
- 地域
- 宮城県気仙沼市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ