かねやまちょうのきつねびとこのはのだいきん
金山町の狐火と木の葉の代金
- どんな話か
- 人を化かして魚や油揚げを奪う狐、狐火や狐憑きなど、金山町に伝わる狐にまつわる多くの話。
- 細部
福島県金山町には狐にまつわる話が非常に多く伝わっている。日暮れに提灯を持って歩いていた郵便局員が、山の方から音がして前を子供のような影が歩くのに気づき追いかけたが追いつけず、味倉沢というところで沢へ飛び込まれてしまい、高清水にある茶店のあたりで何かが不意にパッと光を放ち、我に返ったという体験が語られている。狐は人に化けても尻尾だけは隠せないため、いつも後ろから歩くとされ、一本木では狐が家の人に化けてニシンや油揚げを取っていったと伝わる。
行商人が峠で商品をすべて売ったと思ったら、受け取ったお金がみな木の葉に変わっていたという話も複数残る。狐は宴会の土産を盗んだり、道に迷わせて雑木林の岩の上に取り残したりするとされ、大栗山ではザワザワという音とともに狐の気配が感じられたという。水沼から大栗山へ向かう道では、藪の中にきれいな道が見えるのに実際は藪をうろつかされて魚や油揚げを取られる話や、夜道で人に化けた狐に話しかけられている間に持ち物を奪われる話が数多い。
惣山には惣山太郎、オッコシにはオッコシこざえもんという名の狐がそれぞれ棲むといわれ、蕎麦畑で芸者の踊りを見せられて我に返る話や、花畑が延々と続くように見せられて気づけば同じ場所にいた話、狐の芝居見物をさせられて油揚げ豆腐を奪われる話なども伝わる。狐は遠くの人には見えても近くの人には見えないとされ、ホウの葉をお札に見せかけたり、田んぼを温泉に見せて人を泥だらけにしたりするともいう。狐が人に憑くと体を震わせて狐のような歩き方をするようになり、どうにも止められず、憑きものが落ちると1、2日寝込んだと伝えられている。
- 広まり方
- 1990年の『常民』所収、中央大学民俗研究会「福島県大沼郡金山町 調査報告書」に記録がある。
- 地域
- 福島県金山町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ