ひろしまのきつねおさんのばかしあい
広島の狐於三の化かし合い
国内
未確認生物
- どんな話か
- 江波に棲む知恵者の狐於三をめぐる複数の話で、化かし合いや人助けめいた騒動、成敗までさまざまな結末が伝わる。
- 細部
尾が三つに分かれているという賢い狐、於三にまつわる話が広島市中区の江波に伝わっている。ある晩、道を歩いていた役者の前に於三が現れて次々に姿を変えてみせたが、役者はすきを見て於三を欺き、袋へ押し込んで口を縛ると、そのまま海へ投げ捨ててしまったという。寅という男との化かし合いも語られる。互いに出し抜こうとする間柄だった二人のうち、於三が何か怖いものはあるかと尋ねると、寅はとっさに猪が恐ろしいと嘘をついた。
以来、顔を合わせるたびに於三は、当時「いのしし」とも呼ばれた十円札を寅に渡すようになり、寅はそれを受け取って儲けを重ねたという。車を曳く仕事をしていた八という男の話もある。三十歳前後と見える女を客として乗せ、藪のあたりで降ろしたところ女の姿はたちまち消えてしまい、稼いだはずの金を検めると柴の葉に変わっていたという。さらに、夕方、於三と出くわした人物がとっさに鬼とお多福、二つの面を着けて驚かせてみせると、於三のほうが仰天してその面を譲ってほしいとせがんだ。鬼の面を譲り受けたお礼にと於三は人を化かす術を伝授したが、後日、その鬼面をくわえたまま侍に見つかり、斬り殺されてしまったという。
- 広まり方
- 1933年の『郷土研究』所収、磯貝勇「江波の於三狐」に記録がある。
- 地域
- 広島県広島市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ