みちをまよわせるきつね
道を迷わせる狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 帰り道の人を惑わせ、重箱や油揚げや魚を残らず持ち去ってしまう狐の話が数多く語られる。
- 細部
この土地では狐に化かされた話がいくつも集められている。水路をまたいだ途端に自分のいる場所が分からなくなり、彷徨っているところを人に見つけられた例、愛知川の堤防を歩いていたはずが知らない草むらに立っていた例のように、道を見失う型が目立つ。食べ物を狙われる話も多く、盆や正月にご馳走を提げて帰ると重箱が空になっており、自転車が急に重く感じられたので確かめると、積んでいた油揚げや魚が消えていたという。
昭和十六年には夜八時ごろ宮のあたりで紙の破れるような音を聞き、街灯の下で油揚げを失った者があり、翌年には海軍志願のため学校へ出た帰りに同じ場所へ何度も出てしまい、二時間ほど戻れなかった者もいる。林で美女に招かれて風呂に入ったつもりが沼地にいたという話や、堤防で見た提灯の行列が、狐が何匹か走り去るのと入れ替わりに消えていたという話も伝わる。
- 広まり方
- 1995年の『中京民俗』所収、中村啓吾・杉本敦子・古橋麻理・重松春菜「口承文芸」に記録がある。
- 地域
- 滋賀県東近江市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ