きつねのわるさ
狐の悪さ
国内
未確認生物
- どんな話か
- 萩市に伝わる狐の仕業の数々。物音や化けごとから女性の失踪、憑依の顛末までさまざまに語られている。
- 細部
萩市に伝わる狐の仕業とされる話をまとめたもの。物置から荷車を動かすような音が響いたり、留守中に夫が帰宅したような声が聞こえたりしても、戸を開けてみると人影はなかったという。若い娘の姿を借りて川辺で足をすすぎ、近寄った者の持ち物を奪う、提灯を灯す、通行人に砂をまいて転ばせるなどの悪さも数多く語り継がれている。雨の日に美しい女が差す傘を追いかけても追いつけなかった話や、夜道で目の前の山が急に崩れて見えたのに翌日通ると元通りだったという話も伝わる。
肩をつかまれる感じがすると口にした後に行方が知れなくなり、何年も経ってから山中で見つかった女性の話が二つあり、一方は無事に、一方は既に息絶えた状態で発見されたという。だまされている間は足の裏から頭のてっぺんまでぞくりとする感じがすると言われ、狐が食べ残した物には決して手を出さず、油揚げを提げて歩く者は暗くなる前に家に着くよう心がけたという。ある家では家が燃えているように見える幻を何度も見て、神主の勧めで京都の吉田神社の御札を受けたところ治まり、屋敷裏の井戸から大きな狐の骸が見つかったとも伝えられる。
- 広まり方
- 1976年の『常民』所収、中央大学民俗研究会「山口県阿武郡福栄村紫福地区調査報告書」に記録がある。
- 地域
- 山口県萩市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ