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噂の出所をたどる

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福井の狐の出産手伝いのイメージ挿絵
この挿絵は当サイトが項目ごとに用意したイメージ画像です。写真や原典の図版ではありません。

ふくいのきつねのしゅっさんてつだい

福井の狐の出産手伝い

国内 未確認生物
どんな話か
福井城やその周辺にまつわる狐の言い伝えが複数残り、武家の盛衰や城内の怪異に絡めて語られている。
細部

福井市には、福井城にゆかりのある狐の言い伝えが数多く伝わっている。ひとつは、夜更けに使いを受けて出向いた医者が、難産の末にどうにか子を取り上げたという話である。ところが夜が明けてみると、その医者は見知らぬ野原に立ち尽くしており、じつは狐の出産に立ち会わされていたのだと噂になった。畜生の出産に手を貸したことで、この医者はその後患者に見放されてしまったという。また、ある武家に切腹を命じる沙汰が下ったとき、その使者として訪れた役人の正体は化けた狐であり、犬に吠え立てられてたちまち本性を現し、逃げ去ってしまったとも伝わる。

この家とは別に、稲荷神からの授かりものとされる血筋の家もあったというが、両家とも後にとだえてしまったそうである。ほかにも、稲荷堂を狐もろとも埋めてしまった家に、旧知の人物を装う者が訪ねてきて厄介事が続くだろうと脅すように告げ、刀で斬りつけられると化けの皮が剥がれて狐の姿となって走り去り、次の日になって本物の知人が改めて訪ねてきたという話もある。扶持を減らされていた別の武家では、伏見の稲荷神を勧請して祀ったところ、以前の扶持高に戻ることができたという。

この家の当主が屋敷を新しく建てる際に稲荷ごと遷して祀ると、家運はさらに上向いて出世を果たした。地面の下には空洞を作って狐が自在に行き来できるようにし、油揚げを絶やさず供えていたところ、城の壁の上に腰かける狐の姿がたびたび目撃され、その毛色はしだいに白みを帯びていったという。城主の乱心も狐の仕業と噂されるようになり、それ以来、城の内側へは犬を絶対に入れてはならないとの取り決めができた。

この狐は天守の井戸に棲みつき、城内の鶏をたびたび襲っても誰にも咎められることがなかったそうである。城下の山中に開いた穴には、半分白くなった毛色のマーさんと呼ばれる狐が棲むといい、うっかり近づいた男が投げ飛ばされたこともあったという。付近を歩く山伏たちは、この穴のそばと、清水が湧き出るもう一方の場所とに、それぞれ供え物を届けに訪れていた。清水の湧く場所では、マーさんがやってきて喉を潤すころには供え物が消えてなくなっているが、穴のほうは人の行き来が多いためか、供え物に手がつけられることはなかったのだという。

広まり方
1937年の『南越民俗』所収、森恒救「福井城の狐」および同誌掲載「狐狸妖怪談」に記録されている。
地域
福井県福井市
年代
不明
検証状況
伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。

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