せとうちちょうのきをまもるたたりのけんむん
瀬戸内町の木を守る祟りのケンムン
国内
未確認生物
- どんな話か
- 奄美瀬戸内町一帯で広く語られるケンムンは、アコウやガジュマルに棲み、相撲や漁を好み、木を守り祟りをなす精霊とされる。
- 細部
瀬戸内町には、ケンムンと呼ばれる精霊についての伝承が非常に数多く残っている。姿は子供ほどの大きさで手足が長く、赤みがかった長い髪を持ち、涎が青白く光るとも言われる。おもにアコウやガジュマルの大木に棲みつき、木の根元には貝殻が積もっているのが目印とされた。相撲を好み、人間に挑んでくるが、勝ってしまうと仲間を大勢引き連れて仕返しに来るため、あえて負けてやるのがよいとされる。
夜の漁について来ると豊漁になる一方、機嫌を損ねると魚の目玉だけを抜き取ったり、山道で名を呼び返して人を惑わせたりするなど、恵みと災いの両面を持つ存在として語られる。木を切り倒すと熱病にかかる、姿を見た人が原因不明の病に伏せるなど、祟りの話も多い。起源譚としては、人妻に横恋慕した男が夫を殺して妻に迫ったところ、逆に木に手を打ちつけられて殺され、その死霊がケンムンになったという話が広く伝わっている。ヤマトの河童とよく似た存在ともされ、月夜に山と海の間を無数の火となって行き来する姿も目撃談として語られている。
- 広まり方
- 1969年の『南島民俗』下野敏見「加計呂麻島の民俗」をはじめ、1974年の『日本民俗学』小野重朗「河童の系譜と山の神」、1977年の『昔話―研究と資料―』登山修「奄美説話抄(二)」など、複数の文献に数多くの採集例が残る。
- 地域
- 鹿児島県瀬戸内町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ