しぶしのちまきむすびでのがれるかっぱ
志布志の粽結びで逃れる河童
国内
未確認生物
- どんな話か
- 運命の日を粽の結び方で切り抜けた子や、鐘の音の届く範囲で人を取らぬ誓いを立てた河童の伝説を伝える。
- 細部
ある男の子が、5月5日のうちに河童に捕らえられてしまう運命にあった。それを案じた母親は、男結びにした粽と引っかけ結びにした粽の二種類を持たせ、河童が来たら男結びのほうを渡し、自分は引っかけ結びのほうをほどいて食べるようにと言い含めた。河童がやってきて言われたとおりにすると、粽を結んでいたカラソ(麻の皮)がなかなか解けずに手間取り、河童は男の子を捕らえる機会を逃してそのまま川へ潜っていったという。
年に二回、お彼岸の時期の早朝になると、山伝いの川筋のほうから河童の鳴き声とされる「ピーヒョロー」という音が響いてくるといい、河童は夏になると川へおり、冬になると山へ戻るのだとされる。権現島にまつられている波上権現は、かつて「祈願所の鐘の音が聞こえる範囲では人を取ってはならぬ」と河童を戒め、河童はその約束の証として自分の片手を落として差し出したという。それ以来、権現島の周辺で水死する者はいなくなったと伝えられている。
- 広まり方
- 1974年の『日本民俗学』掲載、有馬英子「薩摩大隅の運定め話」と、1989年の『民俗採訪』掲載、国学院大学民俗学研究会「潤ヶ野 水神様とガラッパ」、1992年の『宮崎県史 資料編 民俗2』掲載、矢口裕康の報告に記録されている。
- 地域
- 鹿児島県志布志市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ