にらさきのかっぱのうでとひやく
韮崎の河童の腕と秘薬
国内
未確認生物
- どんな話か
- 釜無川の河童が馬の尾に悪さをして腕を切られ、傷薬の秘法と引き換えに腕を返してもらったという下條の薬の由来譚。
- 細部
韮崎市藤井町の下條村には、切り傷の薬を商う農家があった。その家の父親が師走の末に釜無川の河原を通りかかると、十一、二歳ほどの子どもが馬の尾にしがみついているのに出くわした。どきなさいと言い聞かせても子どもは一向にやめようとせず、しびれを切らして山刀を構え、切りつける身振りをして見せたところ、その姿は一瞬のうちにかき消えてしまった。宿に戻って馬を洗おうとすると、尾房には猿の腕のようなものが掴んだ跡が残っていた。
翌朝、家の外で子どもの声がして主人を呼ぶので戸を開けてみると、十一、二歳の子どもが平伏しており、自分は釜無川の河童だが、腕をつなぐ妙薬があるので切り落とした腕を返してほしいと訴えた。河童はその薬の作り方と引き換えに腕を受け取って帰っていったといい、これが国中に名高い下條の切疵の薬の由来だと伝わる。別の言い伝えでは、池に棲む河童が毎晩のように厠に手を伸ばしてきたため包丁で切り落とし、同じように傷薬の秘法と引き換えに腕を返したともいい、その河童にちなむ河童石という石も残されている。
- 広まり方
- 『甲斐路』1991年掲載、長沢利明「河童の膏薬」および2002年掲載、影山正美「下条の河童と国玉の橋姫」に記録がある。
- 地域
- 山梨県韮崎市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ