けせんぬまのかっぱとわびしょうもん
気仙沼のカッパと詫び証文
国内
未確認生物
- どんな話か
- 小泉川に棲むカッパは馬を襲っては証文を書かされ、人や子供を水に引き込み内臓を抜くとも語られる。
- 細部
小泉川一帯にはカッパにまつわる話が数多く伝わる。近春という殿様が川で馬を洗っていたところ、カッパが川面から馬の尾に食らいついて棹立ちにさせてしまったため、その場で取り押さえたが、詫びて二度としないと約束させたうえで石に証文を書かせてから放してやったといい、その証文は今も残るという。同じような出来事は、年配の者が古池の沢で馬を洗っていたときにも起こり、やはり詫び証文と引き換えに許されている。
殿様が馬に乗って川を渡っていた際に襲われたときには、斬り捨てようとしたところをカッパが水に潜る術を教えると申し出て命拾いをしたとも語られる。ある旅人は小泉のカッパが志津川の仲間へ宛てた言付けを頼まれ、こっそり中身を検めると、この旅人を土産に連れてくるようにという内容だったため、届け物を投げ捨てて逃げ出したという。一方で恐ろしい実例も伝わっており、1937年には祖母が友人と川で水浴びをしていてカッパに引きずり込まれて溺死し、遺体は肛門から内臓が抜き取られていたといい、小学生が熊ん堂淵で溺れ死んだ際にも同様の状態だったと語られる。カッパは海にも川にも棲み、子どもの生き肝を抜いて食うといわれ、梨の木橋や熊ん堂淵のカルド岩の穴はとりわけ出没地として恐れられていた。
- 広まり方
- 1982年刊『小泉の民俗―宮城県本吉郡旧小泉村―』所収、東洋大学民俗研究会による口承文芸の調査にまとめて記録されている全八話による。
- 地域
- 宮城県気仙沼市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ