せとうちのあたたかなじぞうとおおいのしし
瀬戸内の温かな地蔵と大猪
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 笠利から名瀬へ向かう夜道で月の向きやウラジロの葉が逆になり、人肌のように温かい見知らぬ地蔵や鐘の音、大猪に遭った男は木に体を縛り付けて夜明けを待った。
- 細部
- 笠利から名瀬へ向かっていたある人が、赤尾木を過ぎたあたりで異変に気づいた。喜界島の方角から差すはずの月明かりが反対側から照らしており、ウラジロの葉もことごとく裏返しになっていたという。さらに歩みを進めると、見たこともない地蔵が道端に転がっており、触れてみると人間の肌のように温かかった。どこからともなくお寺の鐘のような音がガンガンと響き渡り、続いて百斤もあろうかという大猪が飛び出してきた。ただごとではないと悟ったその人は、着物の帯で自分の体を近くの木にくくりつけて動けないようにし、そのまま夜が明けるのを待って、なんとか無事に名瀬までたどり着いたという。
- 広まり方
- 1999年の『南島研究』に掲載された酒井卯作「佐和分翁奇聞」に記録がある。
- 地域
- 鹿児島県瀬戸内町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ