いぬがみ
犬神
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 犬神筋の家の者が嫉妬や恨みを抱くと、その犬神が取り憑いて周囲の女性らを病や精神の不調に陥らせたとする複数の実例が伝わる。
- 細部
- 三好市井川町・池田町に伝わる犬神の話である。精神に不調をきたしたある女性の衣服の下から子犬が走り出たことがあり、祈祷師が調べたところ、隣家の娘の母親が、その女性の美しさと自分の子の器量とを比べて嫉妬したために犬神が取り憑いたのだと判明した。同様の例は複数記録されており、犬神筋の家と親しくしていた婦人が病に苦しんだ話、女髪結いが婦人の幸せをねたんで犬神を憑けた話、贈り物を配らなかったことを恨まれて隣家から犬神が憑いた話など、いずれも人間関係のもつれが発端となっている。ほかにも、養子が借財を返さないまま亡くなったために母親が病んだ話や、土地の売買をめぐる恨みから夫人が精神を病んだ話も伝わる。さらに別の例では、祈祷を受けた婦人が「私は犬神である」「私は狸である」と口走ったとも記録されている。犬神筋という特定の家系への嫉妬や恨みが、病や異常な言動という形で現れると恐れられていたことがうかがえる。
- 広まり方
- 1936年の『郷土研究上方』所収、太田明「阿州犬神考(二)」および「阿州犬神考(三)」に記録がある。
- 地域
- 徳島県三好市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ