いぬがみ
犬神
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 弘法大師の逸話に由来するとされる犬神は、恨みを向けられた人や弱い立場の者に取り憑いて心身を乱すという。
- 細部
弘法大師が唐から持ち帰ろうとした麦を守ろうとして吠えた犬が、かえって飼い主の手にかかって殺され、その祟りを鎮めるために高野山へ祀られたのが犬神の起こりとされる。ある人が求めた品に犬神が宿っていたため海へ投げ捨てても憑きは切れず、そのまま家の血筋に伝わる家筋の憑き物になったとも語られる。犬神持は風持とも呼ばれ、取り憑かれると錯乱して意味の通らない言葉を口走ったのち倒れ込み、そこでようやく正気を取り戻すという。
憑かれている間は手足の節々に痛みが出たり体調を崩したりし、悪事を白状すれば治るとされる。正体は先が三つに裂けた尾を持つ鼠や蛇、あるいは犬だとも言われ、祈祷師や信心深い人の目にだけぼんやりと映る。妬みや恨みを向けられた人やその周囲の人、老人や妊婦のような弱い立場の者にも取り憑きやすく、経文や高価な掛軸を苦手とするとも伝わる。
- 広まり方
- 1965年刊行の『民俗採訪』所収、國學院大學民俗学研究会による宮崎県東臼杵郡西郷村の調査報告に記録がある。
- 地域
- 宮崎県美郷町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ