いぬがめ
イヌガメ
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 大田市一帯で犬神持ちと呼ばれた家系は七十五匹の犬神を操るとされ、恨んだ相手に痒みや激しい腹痛を引き起こすと恐れられた。
- 細部
大田市一帯では、犬神を抱える家系を「イヌガメモチ」と呼びならわしていた。犬神は一族で七十五匹という単位を成すとされ、この血筋の者は「系統遣」と呼ばれて忌避されたため、他家との縁組がまとまらなかったという。犬神の姿を見る方法も伝わっており、納屋の敷居の上で箒を枕にして寝そべり、火を吹き起こすための竹筒の穴からのぞくと、群れ遊ぶ七十五匹の犬神を目にできるとされた。
犬神持ちの家では、杓子で飯を入れる櫃の裏側をコツコツと打ち鳴らして一族の犬神を呼び集め、恨みに思う相手の事情を語って聞かせたうえで差し向けたという。恨みを受けた側は程度によって症状が異なり、軽ければ手足がかゆくなる程度で済んだが、深く恨まれると一週間にわたる激しい腹痛に苦しめられた。病人はやむなく心当たりを白状し、家族は詫びのしるしとして赤飯を炊き、それを恨みの元となった犬神持ちの家先に置いてくるのだった。
- 広まり方
- 1933年の『郷土研究』に載った山崎里雨「影わに・犬神・牛鬼・河童」で報告されている。
- 地域
- 島根県大田市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ