いなぶらさん
イナブラさん
国内
未確認生物
- どんな話か
- 晩秋から初冬、神社下の浜辺を通りかかった人にイナブラさんという稲叢の姿をした怪異が寒風に乗って現れ、覆いかぶさってくるという熱海の伝承。
- 細部
晩秋から初冬にかけて吹く冷たい浜風は、地元で「ナライブシダ」またはナライシブタと呼ばれている。この風が吹き始める時期、日暮れどきに神社の下にある浜辺を歩いていると、沖合からイナブラさんと称するものが近づいてきて人をさらおうとするのだという。その姿は積み上げた稲叢にそっくりで、まるで覆いかぶさるようにじわじわと迫ってくる。あわてて走って逃げればそれ以上の速さで追いすがり、逆にその場に立ち止まればイナブラさんの方も動きを止めるため、簡単には振り切れない相手だとされる。
近くの民家に駆け込んで九死に一生を得たという体験談も残る一方、いったん覆いかぶさられてしまえば亡骸すら見つからなくなるとも恐れられており、この怪異はナライシブタの風とともにやってくるとも語り継がれている。
- 広まり方
- 1981年の『民間伝承』、1989年刊『静岡県史 資料編23 民俗1』にそれぞれ木村博の報告として記録されている。
- 地域
- 静岡県熱海市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ