いじゅう
異獣
国内
未確認生物
- どんな話か
- 吉祥天女の開帳に集まった六斎念仏の鐘太鼓に驚いた正体不明の獣が民家の縁の下から捕らえられ、串柿だけを食べたという。
- 細部
- 延宝年間、京の南に位置する吉祥寺村で吉祥天女のご開帳が行われることになり、近隣の村々から集まった人々が六斎念仏を唱えながら鐘や太鼓を打ち鳴らしていた。その音に驚いたものか、見慣れない怪獣が姿を現し、ある百姓の家の縁の下へ逃げ込んでしまう。捕らえて確かめてみると、顔つきは狸に似ているものの、鼻先から額にかけては黒く、うなじだけが白い。背中は黒く腹は白くて、尻は徳利のように丸みを帯び、尾はまったくなく、前足はモグラのような形、後ろ足は犬のように長いという奇妙な取り合わせの姿をしていた。この獣は与えられた餌のうち串柿だけを口にしたと伝えられている。
- 広まり方
- 1974年の『日本随筆大成』第二期に収める神谷養勇軒「新著聞集」に記されている。
- 地域
- 京都府京都市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ