いえぎつね
家狐
国内
未確認生物
- どんな話か
- 姿の見えない小さな狐が家に憑き、富をもたらす一方で人に病をもたらすこともあるという伝承。
- 細部
上野原の棡原には、イエギツネと呼ばれる目に見えない狐が家に憑くという言い伝えがある。ある奉公先では奥座敷に入ることを固く禁じられていたが、夜中になると奥から物音がし、オカタサンと呼ばれる人物が一日に一度食べ物を運んでいたといい、これはイエギツネが憑いているためだと説明された。大きさはネズミほどだが姿は見えないとされる。貧しい家では、このイエギツネが米を体毛の間に挟んで運んでくるとも語られ、商人が麦などを売りに来た際には秤に乗って目方を重くし、その家を裕福にすることもあるという。
ただし正当な儲けではないため、争いや不幸が重なってやがて家は衰えるとも言われる。さらに、家の者が憎いと思った相手のもとへ飛んで血を吸い、病気にしたり死なせたりすることもあるとされる。ある家では祈祷師にすがり、秩父の三峰山までお札をいただきに行って一心に祈った。すると夜半、縁の下でダイジンサマがイエギツネと激しく争う気配がして、ついに憑き物は落ち、病はすっかりよくなったという。祈祷のあと、病人の着物の袂からは狐の毛が三本こぼれ落ちてきたと伝えられている。
- 広まり方
- 1979年の『井戸の民俗 山梨県北都留郡上野原町棡原』(都留文科大学民俗学研究会)俗信の項に、四つの話としてまとめて記録されている。
- 地域
- 山梨県上野原市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ