ほうそうばあ
ほうそう婆
国内
未確認生物
- どんな話か
- 文化年間の疱瘡流行の頃、墓を暴いて亡骸を食う怪物が現れ、後年老婆がその姿を目撃したと語った。
- 細部
文化年間の初め頃、疱瘡が村じゅうに広がって死者が相次いだが、その亡骸が次々と墓から掘り出されて食い荒らされる出来事が起きた。大きな石を載せて墓を固めても、祈祷を頼んでも効き目はなく、残された足跡の大きさから大人の腕ほどもある怪物の存在が推し量られた。名主が我が子の墓を守ろうと猟師に見張りをさせたところ、怪物は気配を悟ったものか柴木立を薙ぎ倒して逃げていった。
その後は威嚇に放った銃声に懲りたのか、疱瘡も収まり怪物も現れなくなったという。数年を経て、市の日に連れ立って出かけた二人の女のうち年配の一人が、山の方角を見た途端に顔色を変えて倒れる出来事があった。介抱で息は吹き返したものの、なぜ気を失ったのかはしばらく語らなかった。三年ほど経ってようやく、丘の上で大石に腰掛け自分を見下ろしていた赫ら顔で白髪頭の巨大な化け物こそ、あの亡骸を食っていた怪物に違いないと悟った瞬間の恐ろしさを、老女は口にした。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』の妖怪変化・幽霊の事例篇に記録がある。
- 地域
- 宮城県七ヶ浜町
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ