ひめこいわ
姫子岩
国内
未確認生物
- どんな話か
- 大平館の姫のもとへ通う美男の正体は大鱈で、姫は入水し、以来鱈が姫子岩を目指して群れ寄るという。
- 細部
大平館の城主千葉正右衛門には、器量よしのひとり娘の姫があった。この姫のもとへ、いつからか身分ありげな若殿ふうの美男が夜な夜な通うようになる。持ってくる手土産がいつも魚ばかりなのを乳母が怪しみ、ある夜、男の袴の裾へこっそり針を刺しておいたところ、たちまち空模様が荒れ出し、海も大時化となって、男はそれきり訪れなくなってしまう。姫は男への恋しさに耐えかね、館の下に見える海中の岩を頼りにその岸辺で帰りを待ち続けたが、願いはかなわず、ついに海へ身を投げてしまった。
折しも同じ時期、気仙沼から南へ下った松岩の浜辺に一匹の大鱈の死骸が打ち上げられ、その体にあの針が刺さったままであったことから、若殿の正体はこの魚だったのだと知れる。姫が男の帰りを焦がれ待った岩は姫子岩と呼ばれるようになり、それからというもの、毎年初鱈の大群が沖合からこの岩を目指してやって来るようになったといい、これを鱈の姫子岩参りと呼び習わしている。
- 広まり方
- 『宮城縣史 民俗3』(1956年)の伝説・石岩の部に記録されている。
- 地域
- 宮城県南三陸町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ