はらのうちよりものいうもの
腹のうちより物いうもの
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 離縁され行方知れずとなった女の恨みか、後妻の腹から声がして苦しめ、やがて死に至ったという話。
- 細部
- 烏丸四条に住む近江屋吉某という職人の妹が、烏丸綾小路の藤某という男のもとへ嫁いだ。たいへんよくできた嫁だったというが、藤某には別に思いを寄せる女がいたため、この妻を離縁して代わりにその女を後妻として迎え入れてしまう。追い出された吉某の妹はそれきり行方が知れなくなり、ちょうどそのころから藤某の後妻は不可解な病にかかるようになった。まるで応声虫にでも取り憑かれたかのように、腹の中から声が発せられるようになり、その声に応じてやらないと後妻は苦しみもだえたという。医者や祈禱師を頼んであらゆる手を尽くしたが効き目はなく、後妻はやがて息を引き取ってしまった。藤某もこれをきっかけに気が触れたようになり、家族はやむなく彼を檻に入れて過ごさせることになったが、その後も藤某自身は生き長らえているという。
- 広まり方
- 1976年刊『日本随筆大成第一期』所収、伴蒿蹊「閑田次筆」に記されている。
- 地域
- 京都府京都市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ