ははのうらみ
母の怨
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 揖斐川町に伝わる話で、母を粗末に扱った実右衛門が母の焼け残った腕に祟られ、僧の読経でようやく鎮まったという。
- 細部
揖斐川町に伝わるこの話の主人公、実右衛門という男は素行の悪い無頼者で、母親につらく当たり続けていたという。やがてその母が亡くなり火葬に付したところ、片方の腕だけがどうしても燃え残ってしまった。人目にさらすのをはばかった実右衛門はその腕を持ち帰り、後日こっそり川に流してしまおうと考えていた。ところがその夜、実右衛門は突然「腕が蛇になって襲ってくる」と叫び出し、狂乱状態に陥ってしまう。
しかもこの発作は一夜だけでは収まらず、毎晩のように繰り返された。困り果てた村人たちが話し合い、村にある三つの寺の僧侶を呼び集めて阿弥陀経を読誦してもらったところ、その晩を境にようやく発作は止んだという。この一件を経て実右衛門は自らの不孝を深く悔い改め、以後は僧侶として生きる道を選んだと伝えられている。
- 広まり方
- 1976年の『日本随筆大成第一期』所収、伴蒿蹊『閑田耕筆』に記録されている。
- 地域
- 岐阜県揖斐川町
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ