たらぎのひがんにやまかわをいくがわっぱ
多良木の彼岸に山川を行くガワッパ
国内
未確認生物
- どんな話か
- 多良木町各地で水神として祀られる川の妖怪で、水死事故の元凶とされる一方、彼岸の日に山と川を行き来すると伝わる。
- 細部
多良木町の各集落では、ガワッパと呼ばれる川の妖怪が水神として恐れられ、祀られてきた。里之城では水利の悪い瀬で水死人が絶えず地蔵が祀られたが、その原因はガワッパに引き込まれるためとされ、指が6本ある人間のような姿で頭に皿を載せているという。旧2月1日に山から川へ下り、秋の彼岸になると鳴き声を上げながら山へ戻るとされ、山にいる間はヤマンタロウ、川に下ればカワンタロウと呼び分けられた。
小林部落や茂原部落では春秋の彼岸にカワマツリという行事を設け、餅をついて川に供えることで水難を避けようとした。茂原では茄子の初物をイドガミサンに供えぬと畑の茄子に水神の爪痕がつくといい、馬の足跡にたまった水には千匹ものガワッパが群れるとも語られる。尻の穴から手を差し入れて肝を抜くともいい、川で相撲を挑んでは人を化かすとも、金属を嫌うとも伝わる。青蓮寺では旧2月と12月1日、檀家に水神の札を配り、餅と経文を書いた石を川に納めて水難除けとする風習があり、この両日はガワッパが山と川で入れ替わる日とされている。
- 広まり方
- 1970年の『民俗学評論』に掲載された、河上一雄「多良木の水神信仰―水神信仰研究の問題―」に記録がある。
- 地域
- 熊本県多良木町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ