つるがのしょうてんできないだいじゃ
敦賀の昇天できない大蛇
国内
未確認生物
- どんな話か
- 敦賀には昇天に失敗した大蛇や娘を滝へ攫った大蛇、旅僧に退治された大蛇など、複数の大蛇にまつわる言い伝えが残る。
- 細部
ある池に棲みついていた大蛇は、天へ昇ろうと何度も試みては、そのたびに果たせずにいた。あるとき大蛇は小さな魚に姿を変え、水を汲みに来た一人の老婆にそのまま飲み込ませてしまう。すると老婆の姿はすっかり変わり果ててしまった。変わり果てた我が身を悲しんだ老婆は、もう家には戻らないと心を決め、この先ずっと池の水を涸らさないと誓ったうえで自ら池に身を投げた。それでも大蛇は、とうとう天に昇ることができなかったという。
別の言い伝えでは、この大蛇はある娘を妻にと望んだが、その願いは聞き入れられなかった。思いを遂げられなかった大蛇は、とうとうその娘をさらい、ともに滝つぼの中へと消えていったという。以来、この滝は「オトメの滝」と呼ばれるようになった。さらに別の話では、あるとき、諸国を巡る一人の僧がこの大蛇のうわさを聞きつけてやってきた。自分が退治してみせようと申し出たので、村の者たちは大蛇のすみかである池まで僧を案内した。
僧が経を唱えながら黒く光る鉄の玉を池に投げ入れると、大蛇はその玉をひどく嫌って逃げ出した。ところが滝を下ろうとしたところで誤って首の骨を折り、命を落としてしまったという。流れ出した大蛇の血は、七日七晩にわたって川を染め続けたと伝えられる。
- 広まり方
- 『南越民俗』1941年の山本蕙市「敦賀の傅説異聞」、『西郊民俗』1959年の最上孝敬「オトボウ渕」、『えちぜんわかさ』1993年の荒谷捨松「敦賀市山の伝説」に、それぞれ記録がある。
- 地域
- 福井県敦賀市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ