えちぜんしのおろちとしょうぶゆ
越前市の大蛇と菖蒲湯
国内
未確認生物
- どんな話か
- 大蛇の子を身ごもった娘が菖蒲湯で堕ろした話と、雨乞いの代償に嫁ぐ娘が針で難を逃れたのち、大蛇が火事で焼け死んだ話を伝える。
- 細部
越前市坂口村には大蛇にまつわる話が2つ伝わっている。ひとつは、ある娘が大蛇に見込まれて欺かれ、蛇の子を身ごもってしまったという話である。大蛇が池の中で「菖蒲湯に入られたら子が流れてしまう」と話しているのをたまたま娘が立ち聞きし、そのとおりに菖蒲湯へ浸かって蛇の子を堕ろすことに成功した。この一件にちなみ、端午の節句にあたる6月5日には、女性が必ず菖蒲湯に入る習わしとなったのだという。
もうひとつは、田の水が涸れて困り果てた爺さんが、蛇ヶ池に棲む主に、もし雨を降らせてくれるなら3人いる娘のうち一人を嫁がせると持ちかけた話である。約束どおり雨が降ると、主は娘を迎えに来た。嫁ぐことになった末娘は針の入った袋を持って出向き、迎えの男が池に入ろうとする隙をついて突き落とし、針の袋も投げ込んだところ、池の水が激しく波立ったという。それから数日後、こんどは爺さんの家が火事に見舞われた。そこへ2匹の大蛇が現れて家に巻きつき、水をよこせと訴えたが、村人たちは驚いて逃げ出してしまい、助けを得られないまま炎に包まれて命を落としたと伝えられている。
- 広まり方
- 1971年の『民俗採訪』所収、國學院大學民俗学研究会による「福井県武生市坂口村」の調査報告に記録がある。
- 地域
- 福井県越前市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ