ちをながすもち
血を流す餅
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 毛利氏に追われた陶氏の落人が正月を祝うなと言い残して自害し、後に正月餅を食べた家で餅から血が流れたという。
- 細部
- 大晦日の夜、ある民家に、毛利氏との戦いに敗れた陶氏方の落ち武者が逃げ込んできて、ここで自害したいから一晩家を貸してほしいと頼んだ。哀れに思った家の者が承知し、せめて供養のために何か望みはないかと尋ねると、自分は正月を迎えられずに死ぬ身だからと、この家では今後決して正月を祝わないでほしいと言い残した。ところがそれから何年か経ったのち、言い伝えを忘れて正月に餅をつき、雑煮にして食べた家があったところ、餅から血がだらだらと流れ出したという。以来、村では正月に餅を食べる習慣が絶え、新暦の正月ではすたれてきたものの、旧暦の正月では今でもこの禁を守り続けているという。
- 広まり方
- 『旅と伝説』1930年掲載、宮本常一「周防大島」に記された話である。
- 地域
- 山口県周防大島町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ