ばさいづか
馬災塚
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- この塚に馬を近づけると必ず禍があるとされ、江戸時代には落命や暴走など複数の実例が書き留められている。
- 細部
成沢にあるこの塚には、馬を近づけると必ず禍が及ぶという言い伝えがあり、昔から馬を曳いたり乗ったりしてここを通る者はいなかった。天保十五年三月、涌谷の壺屋某の茶店でこの話を聞いた八谷影叙が、実際にあった出来事として四件を書き留めている。天保三年の夏には涌谷の農夫六蔵が塚のそばの木に馬をつないだところ、馬は異様な声で嘶いて倒れたという。貞享四年七月には前谷地村に住む幸七という人物が、馬をつれてこの塚の付近にさしかかったところ、馬が急に倒れてそのまま息絶えた。
享和二年には若者の庄松が馬に乗って駆け抜けようとしたところ、馬が泡を吹いて倒れて死んでしまった。さらに天保七年三月には馬夫の六右衛門が草刈りに出た折、手綱をほどいた馬がこの塚の辺りまで走ってきて倒れ、荷鞍に挟んであった鎌で自ら背中を切り裂いて死んだという。原因は誰にも分からないまま、馬にまつわる凶事だけが繰り返し語り継がれている。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』の妖怪変化・幽霊の事例篇に、天保15年に八谷影叙が聞き書きした四件を含め、計五件の実例が記録されている。
- 地域
- 宮城県涌谷町
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ