あみだのかけじく
阿弥陀の掛軸
国内
呪物・呪い
- どんな話か
- 近江家が旅の僧から授かった阿弥陀の掛軸を盗んだ大工の棟梁が怪異に見舞われて急死し、売られた先でも祟りが起きたため元の家に返されたという。
- 細部
山の上集落にある近江家では、かつて旅の僧をていねいにもてなしたところ、その礼として阿弥陀様の姿を描いた掛軸を授かったという。あるとき、この近江家に普請の仕事で出入りしていた大工の棟梁が、この掛軸をひそかに盗み出して逃げてしまう。ところが家を出たとたんに激しい大雨が降り出し、狐や狸までもが行く手を阻むように邪魔をしてきた。雷が轟き渡り、渡ろうとした橋は今にも流されそうになる。
棟梁はほうほうの体でようやく自分の家にたどり着いたが、盗んできた掛軸はまばゆいばかりにぴかぴかと光を放っていたという。そして翌朝には、この棟梁はあっけなく息を引き取ってしまった。その後この掛軸は古道具屋に売り払われるが、今度は店に大きな鼠が出るようになり、店主は夜もろくに眠れなくなってしまう。困り果てて祈祷師に拝んでもらうと、この掛軸は元の家に返さなければならないと告げられた。こうしてこの掛軸は、ようやく近江家のもとへ戻ってきたのだという。
- 広まり方
- 1995年の『民俗採訪』宮城県柴田郡柴田町葉坂・成田・海老穴・小成田調査(國學院大學民俗学研究会)に記録がある。
- 地域
- 宮城県柴田町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ