あめ
飴
国内
未確認生物
- どんな話か
- 臨月に世を去った女の霊が我が子を育てるため夜ごと飴や餅を買いに現れたという伝承を複数記録する。
- 細部
この地域には、幽霊が我が子のために飴や餅を買いに来るという話がいくつも伝わっている。泉寺町では、決まった時刻に飴を求めて店に現れる男を怪しんだ飴屋の主人が跡をつけると、身重のまま亡くなった女の墓のあたりで姿が消えた。掘り返してみると、飴の棒を握って泣く赤子がおり、そばの地蔵が代わりに飴を与えて育てていたのだという。別の話では、臨月で世を去り道入寺の墓地に葬られた女が毎晩飴を買いに来ることを不審に思った店主が後を追うと、卒塔婆のあたりで見えなくなった。
墓を掘ると生後七日ほどの赤子が飴を舐めており、寺の和尚がこれを育て、のちに道玄という名の高僧となった。道玄は亡き母を偲んで円山応挙に頼み、幽霊を描いた掛け軸を作らせたと伝わる。さらに寺町では、青白い顔の女が団子屋へ餅を買いに来るのを見た亭主が後をつけると立像寺の山門で姿を消し、住職と相談のうえ近頃亡くなった妊婦の墓を掘ったところ、棺の中に餅に囲まれた赤子がいた。この子は引き取られて育てられ、母の十七回忌には供養が営まれたという。
- 広まり方
- 1986年の『加能民俗研究』に掲載された、前田佐智子「信仰と飴」に、金沢市内の複数の事例として記録されている。
- 地域
- 石川県金沢市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ