おおずのぞくしん
大洲の俗信
国内
語れない話
- どんな話か
- 出産や死、憑きもの、家普請など暮らしの節目ごとに守られていた多様な言い伝えの集まり。
- 細部
この地方には日常の各場面に細かな言い伝えがあった。死にまつわるものでは、骸骨の眼窩を貫いて樒が生えていると遺族が眼病になる、墓所を広げると亡者が迎えに来る、烏の鳴き方が悪いと死人が出る、魚を大量に獲る夢は死の前触れ、といったものが挙がる。死者のそばへ猫を近づけないこと、友引に火葬や埋葬をしないことも守られた。出産では腹の張り出しが右なら男、左なら女、妊婦の顔つきが険しければ男、やさしければ女とされ、供物の飯を高く盛れば美しい子が生まれるとも言った。
憑きものについては、人にはもう一つの性根があって、本人の意識とは別に恨む相手へ取り憑くとされ、これをモノガラが憑くと呼ぶ。犬神、蛇、狐、狸のほか仏がサワることもあり、憑かれると苦しみ、モノバシルという奇言を発する。弱い者に憑きやすく、戌年生まれは憑かれにくいという。ほかに蝶が仏壇の灯を消すのは不吉、家は山の尾根に建てるな、普請や地拡げの際は方除けをせよ、竜王神社には蛇が棲む、といった伝えがある。
- 広まり方
- 1933年の『旅と伝説』所収、横田傳松「愛媛県喜多郡蔵川」と、1986年の『民俗採訪』に載る国学院大学民俗学研究会「愛媛県喜多郡河辺村」の報告による。
- 地域
- 愛媛県大洲市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ