おちぐんのぞくしん
越智郡の俗信
国内
語れない話
- どんな話か
- 衣食住から出産・葬送・年中行事・天候・医療まで、越智郡一帯で集められた俗信の集成。
- 細部
生活のあらゆる場面に細かな決まりが張り巡らされている。着物を裁つのは酉の日が良く申と子は避けるが、裁ち板が柳ならいつでも構わない。屋敷にイチジクを植えれば人の血まで吸うと嫌い、センダは主を狙うといい、北のエノキは金を呼ぶという。籾まきは吉日を選び、その日に女が髪を梳けば籾が這うと戒めた。出産では夫が家にいると難産になるとされ、箒を立てて産めば軽く済み、唱えごとや灯明で安産を願った。
生後三日以内に名を付けるのは、その間に雷に遭うと口が利けなくなるからだという。とんどの火で焼いた餅は夏病を防ぎ、煙に当たれば風邪をひかない。節分の豆打ちは振り返らずに帰るのが決まりで、石鎚登拝の留守中に家族が豆を炒れば足に豆ができる。天候・医療・吉凶・予兆にも多数の言い伝えがあり、大西町では明堂様が狸で、夏の参詣者の体の弱い箇所に灸跡を授けるとも語られた。
- 広まり方
- 1935年の『旅と伝説』の宮本常一の報告、1963年の『あゆみ―富郷の民俗―』、1975年の『あゆみ―玉川町の民俗 愛媛県越智郡―』の各章、1967年の『民俗採訪』の國學院大學民俗学研究会報告に、合わせて二十件以上が記録されている。
- 地域
- 愛媛県今治市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ