あまみのしをしらせるかいおん
奄美の死を知らせる怪音
国内
語れない話
- どんな話か
- 曾祖母の死の前に聞こえた不可解な物音や、伯母が見た幻の墓穴掘りなど、明治28年前後の死の前兆をまとめた記録。
- 細部
明治二十八年、ある家で曾祖母が亡くなる少し前の夕食後、高倉のほうから板に釘を打ちつけるようなカチカチという音が聞こえてきたが、実際には誰も何もしていなかった。それから十日ほどして曾祖母は息を引き取り、棺を作るために櫃を叩き壊す音が、あの晩に聞いた音とそっくりだったという。同じころには、庭に何か重いものをドシンと投げ落とすような音がした夜もあったが、これも後に葬式用の米俵を高倉から下ろした際の音と一致したと語られる。
地域によってこの前兆を指す呼び名は異なり、龍郷ではヒン(変)、笠利ではシカタ(死型)と呼びならわされている。さらに、半分ほど物識りだった伯母が、まだ何も掘られていないはずの場所に墓穴を掘る人足の幻を見て、近く某家で葬式があると予言したところ、一週間後にはまさにその家で急な葬式が出て、墓穴を掘っていた人足も伯母が名指ししていた顔ぶれと同じだったという話も伝わる。
- 広まり方
- 1930年の『旅と伝説』掲載、岩切登「死を中心とした奄美大島の実話(一)」に記録されている。
- 地域
- 鹿児島県奄美市
- 年代
- 明治時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ