ばいかのかぜ
梅香の風
国内
語れない話
- どんな話か
- 伊予沖の島で風待ちをしていた船に梅の香りが漂い、備後の梅林から風に乗って届いたものと分かったという話。
- 細部
- 呉に伝わる紀行文の一節である。風待ちのために船を寄せた先は、伊予国の沖にある「みたらひ島」であった。停泊しているとどこからともなく、濃い梅の花の香りが漂ってきた。島のどこかに見事な梅の木でもあるのだろうと思い、あたりを探し回ってみたものの、それらしい木は一本も見つからない。不思議に思って島の者にたずねてみると、そこから十里、およそ四十キロメートルほど離れた備後国の梅林から、風がその香りだけを運んでくるのだと教えられた。姿の見えない花の香りだけが、海を越えて船まで届くという、旅の途中で出会った珍しい経験として記されている。
- 広まり方
- 1979年の『続日本随筆大成』所収、近藤万丈「寝ざめの友」に記録されている。
- 地域
- 広島県呉市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ