ぜんわんぶち
膳椀淵
国内
場所・異界
- どんな話か
- 日高市に伝わる話で、高麗川の淵に頼むと膳や椀を貸してくれたが、ある時村人が返さなかったため貸してくれなくなり、後に淵からは主とされる大蛇の頭骨が見つかったという。
- 細部
日高市に伝わる話。高麗川にある膳椀淵という淵を訪れて頼み事をすると、膳や椀を貸してもらえるという言い伝えが残っている。箕輪山霊巌寺に近いこの淵には、古くから大蛇がすんでいると語られてきた。付近の住民は祝儀や不祝儀のたびに、膳椀をこの淵から借り受けていたという。淵に向かい「十人前の膳椀をどうかお貸しください」と声をかけると、いつの間にか椀や膳が水面に浮かび上がってきたそうだ。
用が済むと丁重に礼を伝えて返却するのが習わしだったが、ある時、村の者が借りた膳椀を返さなかったところ、それからは誰が頼んでも浮かんでこなくなってしまった。後年になって大洪水が起こり、淵が埋まってしまうということがあった。そこから一匹の大蛇の頭の骨が見つかったのだという。村人はこれを淵の主とみなして丁重に弔い、その骨は霊巌寺に宝物として納められたと伝えられている。
- 広まり方
- 1986年刊行の『新編埼玉県史 別編2(民俗2)』第十二章第二節「天体・気象、地形、水」の項に、根津富夫の記録として収められている。
- 地域
- 埼玉県日高市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ