ゆうれいぼんしょう
幽霊梵鐘
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 情婦との謀略で妻を殺した侍の家に妻の亡霊が恨みを晴らしに現れ、親戚に頼んで梵鐘を鋳させ称名寺に寄進させたという話。
- 細部
延宝・天和の頃、この地の高橋某という侍が隣村の佐倉村に情婦を囲い、家に残した本妻には辛く当たるようになった。とはいえ離縁するだけの理由が見当たらなかったため、侍はついに情婦と示し合わせて本妻を謀殺してしまう。本宅におさまった情婦への恨みを晴らそうと、亡くなった本妻の霊は夜な夜な戸口までさまよってくるものの、そこに貼られた神符に阻まれて中に入ることができなかった。
そこで妻の亡霊は親戚筋の者に頼み込み、小判数枚を与える代わりに神符をはがしてもらう。まもなく情婦は本妻の亡霊にとり殺されてしまったという。亡霊はさらにこの親戚に、菩提寺へ寄進する梵鐘を鋳るようにとも頼んでいた。頼まれた者は夫のもとを訪ね、亡霊から受け取った小判を青銅に混ぜ合わせて梵鐘を鋳造させ、称名寺に納めさせた。この鐘は今も残っており、鐘に刻まれた銘文には元禄六年(1693)林鐘初八日の日付とともに、施主高橋八郎兵衛平常、住持可伝上人、冶工早山五郎次清次の名が記されているという。
- 広まり方
- 1956年刊『宮城縣史 民俗3』の妖怪変化・幽霊の事例篇に記録がある。鐘銘に元禄六年(1693)の年紀が残る。
- 地域
- 宮城県角田市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ