いずしののせてほしいゆうれい
伊豆市の乗せてほしい幽霊
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 狩野川台風の後、犠牲者にゆかりのある道で乗せてほしいと頼む幽霊やタクシー客の幽霊が語られた話。
- 細部
1958年の狩野川台風で大きな被害を受けた伊豆市の熊坂周辺では、その後さまざまな幽霊の目撃談が語られるようになった。犠牲者の遺体が見つかった川口を車で通ると、乗せてほしいと頼む幽霊が同乗し、被害の大きかった熊坂まで走ったところで座席から姿が消えているという話がある。同じ熊坂の夜道では、風呂敷包みを担いで杖をついた老婆らしき人影に声をかけても、聞き取れないほど小さな声で何かをつぶやくばかりで、追い越しざま振り返るとすでに姿は消えていたという話もある。
タクシーが若い女性客を乗せて熊坂まで走ると、いつの間にか客はいなくなり、座席だけがしっとり濡れていたため、運転手は恐怖のあまり寝込んでしまったという話もある。ほかにも、雨の夕方に旧友と立ち話をして再訪を約束した後、その人がすでに水害で亡くなっていたと思い出して振り返ると、姿がなかったという体験も語られている。
- 広まり方
- 1959年の『芸能』誌所収の座談「世界の幽霊」を語る、および1989年刊『静岡県史 資料編23 民俗1』所収、鈴木暹「伝承の狩野川台風」に記録がある。
- 地域
- 静岡県伊豆市
- 年代
- 昭和
- 検証状況
- 口承で流布
口伝えや報道で広まり、明確な起源が特定されていない。 - タグ