ぐじょうしのやまんばのあしあととおおぐいおんな
郡上市の山姥の足跡と大食い女
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 郡上市には集落をまたいで小便した山姥の足跡の話と、家に滞在した大食いの女が実は山姥だったという話が伝わる。
- 細部
郡上市には山姥にまつわる話が伝わっている。一つは、山姥が宮代集落をまたぐようにして小便をしたという豪快な話で、そのときにできた足跡が東の山と西の山にそれぞれ残っているという。また、その場所には小便池と呼ばれる池もあり、これを汚すとマラリアにかかると言い伝えられていたが、現在では圃場整備によって失われてしまったとのことである。もう一つの話は、ある雪の降る夕暮れに、50歳くらいの大食いで力持ちの女が家にやってきて滞在するようになったというものである。
この女はよく働き苧績みも手伝ったが、いくら績んでも苧環がまったく大きくならないうえに大食いであったため、家の者はこれを疎ましく思い、茶碗の中を空洞にするようにして少なく見せかけた飯を盛ってやっていた。春になると女は「ひんぬりごきにごちそうさま」と、その盛り付け方への皮肉を言い残し、笹の葉にくるんだ薬を置いて去っていった。女が残していった小さな苧環は、いくら糸を繰り出しても一向に繰り切れることがなかったという。
糸を繰っているあいだに放っておかれた赤ん坊が泣き続けた末に死んでしまったが、女の残した薬を与えたところ生き返ったと伝えられている。この女の正体は、猪ノ洞谷の一の滝近くにある岩穴に棲む山姥だろうといわれている。
- 広まり方
- 1979年の『和良の民俗―岐阜県郡上郡和良村―』九 口承文芸、1984年の『美濃民俗』掲載、川出由太郎「山姥雑考(五)」に記録がある。
- 地域
- 岐阜県郡上市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ